Q |
遺言の内容と異なる遺産分割協議をすることができるのでしょうか。 |
A |
遺言をした当時と事情が変わっていたり、被相続人の意向とは異なる分け方をした方が相続人全員にとって合理的で好ましいという場合などは,相続人全員が遺言とは違う内容の遺産分割協議を成立させることもできます。遺言の効力及び遺産の分割の方法については、公益性の高い事項というわけではなく,当事者が任意に処分することが許されている事項とかんがえられますので、相続人全員の合意があれば遺言の内容と異なる遺産分割協議をすることができます。遺言の内容とことなる遺産分割協議をできない場合として、相続人以外の受遺者がいる場合が上げられます。受遺者の権利を相続人は一方的に奪うことはできない為、たとえ相続人全員の合意を得ていても、認められません。もっとも、受遺者自身が遺言書と異なる遺産分割協議を了承していた場合には問題なく遺言の内容と異なる遺産分割協議をすることができます。加えて、被相続人(遺言者)は、遺言書によって遺産分割を禁止することが出来る(民法908上)為、遺言者により、遺産分割が禁止されている場合は、相続人全員が合意をしても、遺言の内容と異なる遺産分割協議をすることはできません。禁止期間は最大で相続開始の時から5年です。 |
Q |
遺産分割協議をやり直すことはできますか? |
A |
一度遺産分割協議が成立したら、基本的にはやり直しができません。なぜならば、いったん全員が合意して遺産分割協議書を作成した以上、協議内容が法的に有効となっているからです。ただし、例外的に相続人全員の合意があればやり直せますが、贈与税の問題が発生する可能性があります。加えて、遺産分割協議後に不動産を売却したりして「第三者(譲受人)」が現れている場合には、取り戻しを請求するのが難しくなります。遺産分割協議をやり直したからといって、すべてが元通りになるとは限らないので注意が必要です。 |
Q |
「遺産分割協議書」はどのように書けばいいですか? |
A |
相続人同士で遺産の分割が確定した場合は、遺産分割協議書を作成します。遺産分割協議書の作り方には決まったルールはありません。また、ワープロでも手書きでも可能です。ただし、①財産の内容と相続人の特定、②相続人全員が名を連ねること、③印鑑証明を受けた実印を押すことが求められます。不動産であれば、所在地と面積を登記簿のとおりに書きましょう。預貯金であれば、口座番号等を正確に記入売る必要があります。相続財産のうち何を、どの相続人に、どのくらいずつ分けるかを正確に、特定できるように書く必要があります。 |